コラム
皮膚むしり症の治し方|やめられない行動を改善するために知っておきたいこと
2026/02/20
「やめたいのに、気づくと皮膚をむしってしまう」
「出血や傷跡が残り、自己嫌悪を繰り返している」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
皮膚むしり症は、意思の弱さや性格の問題ではなく、医療のサポートが必要になることがある状態です。
この記事では、皮膚むしり症の基本的な理解から、一般的に行われている治し方、医療機関に相談すべき目安までをわかりやすく解説します。
皮膚むしり症とは
皮膚むしり症(スキンピッキング/Excoriation Disorder)は、
皮膚を繰り返しむしってしまい、出血や傷、跡が残る行動が続く状態を指します。
多くの場合、
- 不安や緊張を感じたとき
- 退屈・集中時・無意識の状態
- 寝る前や一人の時間
などに起こりやすいとされています。
本人は「やめたい」と思っていても行動を止められず、
その結果、強い自己嫌悪や生活上の支障につながることがあります。
皮膚むしり症の治し方①|自分でできる対処法
症状が軽度の場合、セルフケアで改善のきっかけを作れることもあります。
行動に気づく工夫
- むしりやすいタイミングや場所を記録する
- 鏡を見る時間を減らす
- 手袋や絆創膏を使い、直接触れにくくする
環境調整
- 爪を短く整える
- 無意識に手が動く状況(スマホ・テレビ視聴中など)を把握する
- 手を使う別の行動(ボールを握る等)に置き換える
ただし、これらを試しても改善しない場合は、無理に続ける必要はありません。
皮膚むしり症の治し方②|医療機関で行われる一般的な治療
皮膚むしり症は、精神科・心療内科で相談されることがあります。
心理療法(例)
- 認知行動療法(CBT)
- 行動のきっかけやパターンを整理し、別の対処を身につけていく方法
薬物療法
- 不安や衝動性が強い場合、症状に応じて薬物療法が検討されることがあります
- すべての方に必要というわけではありません
治療は、症状の程度や生活状況に合わせて個別に検討されます。
皮膚科だけで改善しない場合に考えたいこと
皮膚むしり症は、最初に皮膚科を受診される方も多いですが、
- 塗り薬では繰り返してしまう
- 原因がわからず悪化している
- 行動そのものが止められない
といった場合は、こころの状態へのアプローチが必要なケースもあります。
通院が難しい方へ|在宅で相談できる選択肢
不安が強い、外出が難しい、通院に抵抗があるという方も少なくありません。
そのような場合、在宅で医師に相談できる精神科の訪問診療という選択肢があります。
よりそうこころの在宅クリニックでは、
通院が困難な方に対し、医師がご自宅を訪問して診療を行う体制を整えています。
※対応内容や可否は、症状や地域により異なります。
皮膚むしり症で医療機関に相談する目安
以下のような場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することが勧められます。
- 出血や傷跡が繰り返しできている
- やめようとしてもコントロールできない
- 不安・抑うつ・睡眠の問題を伴っている
- 日常生活や人間関係に支障が出ている
まとめ|「治そう」と思えた時が相談のタイミング
皮膚むしり症は、
「やめられない自分が悪い」のではなく、適切な支援が必要な状態です。
治し方は一つではなく、
セルフケア・心理的サポート・医療的支援を組み合わせながら、
その人に合った方法を見つけていくことが大切です。
「相談してもいいのかな」と感じた時点で、
一度、専門家に話してみることが回復への第一歩になります。
記事監修医師

本 将昂 院長
精神保健指定医
日本専門医機構認定 精神科専門医